このIRがすごい!上場企業2012 (1-3月号)

ゼンショーホールディングス「目の錯覚」

牛丼のすき家を展開するゼンショーHD。すき家はアイデアあふれる盛りだくさんの牛丼メニューで楽しませてくれます。それは牛丼一杯300円前後という制約のなかで如何に他社と差別化していくのかという命題に対してゼンショーが到達した一つの答えであるのです。
そして2012年4月、ゼンショーHDは新しいIRの表現方法を生み出しました。IRの新時代の幕開けを告げる連結通期業績予想の修正をご覧ください。
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http://minkabu.jp/announcements/7550/140120120417010914.pdf
売上高以外の数字は下方修正なのに、フォントの大きさを変化させることで上方修正に見えるというエポックメイキングなIRであります。
「本当に上方修正に見えたよ!」
「これ考えたIR担当すげえなw バカだけどw」
「これは新しい。売上高はアップしてるところがまた香ばしい。」
「すごい、これが錯視ってやつか。感心した。」

「ふぉんとに?w」
投資家も絶賛の嵐。
もしも株式市場が開いている時間にこんなIRを発表されたら、ゼンショーのIR担当部署には「ふざけんな」というクレームの電話が鳴り止まなかったことでしょう。


ゼンショーHDが下方修正なのに目の錯覚で上方修正に見えちゃうIRを発表


モブキャスト「ルール違反はございません」

FACTA銘柄に上場前から選定されてしまうというクソ株界の大型新人が現れました。
オリンパス、セラーテムテクノロジーをはじめ数々の上場企業を舌鋒鋭く追い詰めてきた雑誌FACTA。
そんなFACTAに
過去のインチキ増資を繰り返してきた反市場勢力が役員や大株主に紛れ込んでいると指摘されたのが、ソーシャルゲームのモブキャスト。
「雲行きが怪しくなってきたな。」「上場したあとで即死もあるか?」と投資家の不安度が増す中、上場直前のモブキャストは律儀に声明を発表します。

「一部媒体において、当社及び当社関係者に対する事実とは異なる記載や、上場ルールに関する誤った理解が記載されておりますが、当社においては、該当するような事実及びルール違反はございません。」
該当するような事実もルール違反もないそうです。
「提訴するとか言わないんだ。 あまり事を大きくしたくないのがみえみえだな。」
「FACTAにあそこまで書かれたら、普通の会社なら提訴するわな。」

と穿った見方が多いなかモブキャストは公開価格800円に対して値段吊り上げてる感が半端ない初値2301円で無事に上場を果たすことが出来ました。
FACTAも瞬間風速的なIPO人気の前には形無しという結果に

今後、モブキャストは反社疑惑を株価に反映していくのか?それともしないのか?
何となくFACTAに軍配が上がりそうです。

上場前からFACTA銘柄に選定されたモブキャスト「該当するような事実及びルール違反はございません」

FACTA銘柄のモブキャストが無事に新規上場、ネガティブキャンペーンをものともせず高値で押し切り


プレナス「年2回の株主優待が年1回に」

ほっともっとを展開するプレナスが株主優待の改悪を発表。
優待のグレード・内容はそのままで、なんと年2回あった株主優待を年1回に半減。
これにより優待利回りも一気に半減してしまいました。
おかげでプレナスの年間経費は約2億円ほど減る計算になるようですけど。
この優待改悪という火に油を注いだのがいつの間にかしれっと値上げされたB級グルメの高コストパフォーマンス品目であるほっともっとのノリ弁当の存在。
食い物の恨みは恐ろしいと言いますが、プレナス株を買ってしまった個人投資家には優待改悪とノリ弁当値上げで多くの恨みを買ってしまったようです。
もはやプレナスには、ほっと安心もっと活力きっと満足、そんな約束なんてあってないようなものです。
プレナスに嫌味の一つでも言ってやりたいですが、それは出光のキャッチコピーだと論点をすり替えられそうですので止めておきます。

ほっともっと展開のプレナス小口株主に優待改悪ショック、年2回の株主優待が年1回に半減(のり弁7個分が消滅)

ホッコク「賢明なご判断をいただきますようお願い申し上げます」

黒い人脈オールスターが一堂に会して訳の分からない内紛を繰り広げた札幌どさんこラーメンのホッコクから適合審査申請準備目処が立たたいのでこのままいくと8月初旬に上場廃止してしまう旨のお知らせが発表されました。
「当社株式を保有されている株主各位および当社株式の取得を検討されている投資家各位におかれましては、こうした当社の状況について充分にご認識のうえ、賢明なご判断をいただきますようお願い申し上げます。」
賢明とは、かしこくて物事の判断が適切であること。
ホッコクさんが、賢い投資家ならホッコクなんて買うなって。
今からホッコク買う奴はホッコクさんいわく愚鈍で阿呆であると自ら売り推奨しちゃってます。

「素直過ぎるIRだ」
「良心的で言い会社だ、買いだ」
「株価の推移を見ると、良心的な会社とは思えない」
けっきょく8月11日付で上場廃止が決定。
上場廃止したと言っても即倒産する訳じゃないので、これからはホッコクさんも賢明に生きていってほしいです。

札幌ラーメンどさん子のホッコクが自社を売り推奨 「株主および投資家各位に賢明なご判断をいただきますようお願い申し上げます」

乗っ取り解体進行中、札幌ラーメンどさん子のホッコクが原因不明の急騰劇


アスクル「株が73.83%希薄化」

増資銘柄Aがあらわれた!
増資銘柄Aはなかまをよんだ!
増資銘柄Bがあらわれた!
増資銘柄Bはなかまをよんだ!
増資銘柄Cがあらわれた!
日本市場で繰り広げらるドラクエみたいな増資ラッシュの中、株主に痛恨の一撃を食らわせたのは、73.83%の希薄化増資を発表したアスクル。
「73%て、既存株主ナメてるだろ」
「既存株主の持ち分なんかゴミ屑じゃねーかw」
「アスクルを買ってるホルダーに明日は来ないな」
宿で寝ているHP10の株主にいきなり73のダメージを与えるようなゲームバランスを無視した増資モンスターの登場には戦慄が走りました。おぉ死んでしまうとは情けない。アスクルの株主の前で言えんのそれ?
アスクルの岩田彰一郎社長は増資に関する会見で
「きょう、数社の株主を回ったが、理解してもらえた」と述べたそうです。大株主に目を向けた実に清々しい発言です

希薄化73%鬼畜増資のアスクルが前日比-21.99%、謎の一段高期待報道もむなしく増資を引き受けたヤフーもいきなり含み損に突入

こころネット「大幅な増益」

未だ予断を許さない福島第一原発がある福島県を中心に墓地・冠婚葬祭を行うこころネットが新規上場を果たしました。
平成23年4月1日から平成24年3月31日の連結営業利益が前期446百万円から892百万円、とくに葬祭事業の営業利益が165百万円から379百万円、石材の卸売事業の営業利益が16百万円から63百万円、石材の小売事業の営業利益が▲96百万円から83百万円。
ぶっちゃけ震災特需である、とは上場目論見書に言及されておりませんでしたが過去最高益での上場です。
「どうして福島の葬儀会社が過去最高益なんですか?」
「どうしてかな・・・」
何かにつけて微妙な空気が流れそうな不謹慎すぎるIPO案件。
「こころネットってもっと下がったら中長期で投資したいよな。原爆数十個分の放射性物質撒き散らかしてんだから10年後売上2倍目指せるだろ。」
上場しちゃった以上は投資家サイドも不謹慎にならざるを得ません。


震災特需で過去最高益、福島県の葬儀会社こころネットが上場

シムシティー職人が本気で福島第一原発をつくったらこうなる

福島第一原発4号機に何が起きているのか


アコーディア・ゴルフ「もう社長の首をとっちまえば

竹生道巨社長の愛人貢ぎ私的流用疑惑に揺れたアコーディア・ゴルフ。
社長職だけでなく役員としての地位も失うことになったこの事件は、
社長の女性スキャンダルを利用してPGMとそのバックの平和が好条件での経営統合を迫るために仕掛けたというシナリオが通説となっております。この乗っ取り劇の中で発表されたIRが近年稀に見る生々しさでドロドロしていてスゴイと話題に。

秋本及び國光より、竹生に対し、竹生のコンプライアンスに関する情報をリークされたくないのであれば、竹生が当社代表取締役社長を辞任し、秋本を当社代表取締役社長とするとの条件を受諾するよう再度要求。
席上、國光より、「今回の案件についてはこういうことが目的ではないんですよ。あくまで統合を双方でやろうと(略)。そういうところで、ああいうコンプライアンスの問題が出たのは、竹生さんが退任をされるんであれば、秋本さんを後継にされるなら、統合が進むという判断で、このあいだもその条件を飲んでいただけませんかという話を申し上げている。」「そもそもコンプライアンスの問題を出すということが目的じゃないんですよ。あくまで統合です。」との発言あり。
また、秋本より、「いわゆる本当はTOBでいくっていう話をずっと聞いてましたのでね、TOB だったらそれはそれでしょうがないんじゃないかと、僕は思ってたんですけど。ところが神田さんがスキャンダルの話をだしてきまして、その方がお金がかからないんで。この方法をね。」「その間に、結局もう社長の首をとっちまえば統合できるじゃないかという発想に彼らがなった。社長がいろいろ問題を抱えているから、会社にいたから彼らそれを知ってるわけですよ。そこを調べて、つけば、社長はやめるだろうということで今回始まっている。」旨の発言あり。


「社長の首をとっちまえば」って。
こんな文言は中々IRで見かけられるものではありません。
ぜひ一度声に出したい読んで頂きたいものです。


アコーディアゴルフ竹生道巨社長に愛人貢ぎ私的流用疑惑が浮上で、大口投資家がブン投げた株を個人投資家が貢ぎ買い

リアル企業攻防経済ドラマ「アコーディア・ゴルフ」がドロドロで生々しくて早くも傑作の予感

エヌ・ピー・シー「決算発表説明会資料の表紙」

このIRがすごい!と言われる理由は本当に様々です。
クソ株ランキングでも常連さんのエヌ・ピー・シー社のIRは何とも言いようの無いインパクトがありました。
悪い夢に出てきそうです。
なんだよこの表紙。


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NPC社の決算説明会資料がすごい(表紙だけ)